消費税・課税売上割合
ヤッホー、皆さん、こんにちは!
9月末だというのに、相変わらず、梅雨のような天気ですね~。
今回は、消費税を計算する上で重要な「課税売上割合」についてご説明しますね!
消費税法は細かい規定が多いのですが、実務では、ほとんど使わない取引もありますから、皆さんは「消費税法」の体系を理解して下さいね。
課税売上割合とは?
非課税売上が過少な場合には、「支払った消費税=仮払消費税」を「全額預かった消費税=仮受消費税}から控除することが出来ます。これを判定するのが課税売上割合であり、「課税売上高+非課税売上高」に対する「課税売上高」の割合のことです。
課税売上割合= 課税売上高
課税売上高+非課税売上高
分母である「課税売上高+非課税売上高」は本来消費税がかかるはずの売上高の合計額を示していますので、「本来消費税がかかる売上高のうち、実際に消費税がかかる売上高の割合」を示していることなります。
注意点
- 受取利息・土地売却代金等の「非課税売上」は分母に計上します。
- 受取配当金・寄附金収入のような不課税取引=課税対象外収入は、上記算式に一切関係させません。
- 課税売上高は税抜きの金額です。
- 純売上高(返品、値引き等をマイナスした後)で計算します。
- 貸倒れとなった売上も含めて計算します。
- 有価証券の売却は「売却金額×5%」を非課税売上に計上します。
判断基準
判断基準は「課税売上割合95%以上と、課税売上高5億円以下」です。このどちらも満たした場合に、「支払った消費税=仮払消費税」は「預かった消費税=仮受消費税」から全額控除することができます。
課税売上割合が95%未満の場合
「支払った消費税=仮払消費税」は全額控除できず、一定の調整計算をして納税額を算出する必要があります。
この計算方法には「個別対応方式」と「一括比例配分方式」の2種があります。
両方の計算式で計算してみて、有利な方法を選択しましょう。
個別対応方式
個別対応方式は、個別に対応関係をみていく方式です。
①課税売上に対応する支払った消費税.→額控除の対象となる〇
②非課税売上に対応する支払った消費税→額控除の対象から除く×
③その両方に共通して支払った消費税→通して対応する支払った消費税×課税売上割合=控除の対象となる〇
「①+③×課税売上割合=控除の対象」となります。
(注)②非課税売上に対応する具体例
- 土地の売却時に支払った仲介手数料(土地代金×3%+6万円)
- 土地の購入費用・土地造成費
- 有価証券の売却に要した売買委託手数料
- 賃貸用住宅の建築費用
- 住宅の賃貸に支払った仲介手数料(家賃の1ヶ月分)
一括比例配分方式
支払った消費税をすべて計算し、その合計額に課税売上割合をかけて算出した額が「控除の対象となる支払った消費税」となる方法です。
- 個別対応方式のように①課税売上に対応する消費税②非課税売上に対応する消費税③その両方に共通して支払った消費税の区分はしません。
- 一括比例配分方式を採用した場合は、原則2年間は継続適用となります。
以上、前回ご説明した「仕入税額控除」を計算する時に使う割合を、「課税売上割合」といいます。
実務では、この「課税売上割合」が95%以上でかつ課税売上高が5億円以下なら、計算は比較的簡単です。
しかし不動産業等の場合は、土地の売買取引(非課税売上)があるので課税売上割合が95%未満になり「個別対応方式」か「一括比例配分方式」で計算するケースが一般的で、手間が非常に掛かります。土屋雅資