なんちゃって税理士のブログ

税理士、宅地建物取引士、相続アドバイザー 土屋雅資のブログです。 相続税を中心に、お得な節税情報等を発信していきます。

法人税・損金・寄附金

ヤーホー、皆さん、こんにちは!オリンピック、日本は健闘してますねー!やっぱり、オリンピックや高校野球は観ていて楽しいですね。私は、お盆は自宅でテレビ中継観て楽しんでいます。今回は、寄附金についてご説明しますね!

 

寄附金とは?

法人税法上、寄附金、拠出金、見舞金その他どのような名目であるかを問わず寄附金とは会社が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与をすることであると定められています。①募金(寄附)する、②誰かに物品をタダであげた場合③会社が誰かにお金を貸し付けていた場合に利息を受け取らなけれ、原則として利息相当額が寄附金と認定されますし、貸し付けている金銭債権を免除してあげた場合にも、免除した金銭債権の額だけ寄附金があった場合④時価よりも安い価格で譲った場合には、税務上は寄附金の課税関係が生じます。

  形 態

  寄附金となる金額

お金を寄附する

寄附した金額

②資産をタダであげる

資産の時価

③貸付金利息を無しにする、貸付金免除

適正な利息金額、貸付金金額

④資産を安く売る

時価-売却価額

  

損金算入が制限されます

会社が募金などで金銭等を贈与することがありますが、これについても税法上は一定の制限を定めています。なぜなら、会社が、特定の団体や個人に贈与することを無制限に認めると、会社の課税所得を自由に圧縮することが可能になり、結果的に国の税収が落ち込むためです。例えば、相手が子会社なら寄附を通じて、利益を移転する事も考えられます。

 

寄附金の区分

  1. 国又は地方公共団体に対する寄附金
  2. 財務大臣が指定した寄附金
  3. 特定公益増進法人に対する寄附金
  4. 一般の寄附金
  1. 国又は地方公共団体に対する寄附金は、直接、国や都道府県、市区町村に対して寄付するものです。災害時に被災者のために新聞社・放送局等が募集する義援金についても、これに該当するとされる場合があります。
  2.  財務大臣が指定した寄附金は、公益を目的とする事業を行う法人・団体に対する寄附金のうち、「イ 広く一般に募集されること」と、「ロ 教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で緊急を要するものに充てられることが確実であること」の2つの要件を満たすと認められるものとして財務大臣が指定したものです。 例えば、赤い羽根の共同募金などが、これに指定されています。
  3.  特定公益増進法人に対する寄附金は、公共法人、公益法人等のうち、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして定められている法人に対する寄附金で、その法人の主たる目的である業務に関連する寄附金のことをいいます。具体的には、日本私学振興財団日本赤十字社などに対する寄附金が、これに該当します。
  4.  一般の寄附金は、上記1から3以外の寄附金です。無利息貸付や債権放棄、さらに資産の定額譲渡など、事業者間の取引で発生する寄附金も、ほとんどがこの一般の寄附金に該当することになります。

 

 寄附金の損金算入限度額

  • 会社が支出した寄附金の内、国又は地方公共団体に対する寄附金→全額損金算入OK
  • 特定公益増進法人に対する寄附金と、一般の寄附金→寄附金の損金算入限度額まで
  • 特定公益増進法人に対する寄附金の限度額は、一般の寄附金より多くなります

 

 一般の寄附金の損金算入限度額

  1.  損金算入限度額 = ( 2・資本基準額 + 3・所得基準額 ) × 1/2
  2. 資本基準額=期末資本等の金額×当該事業年度の月数/12×2.5/1,000
  3. 所得基準額=寄附金支出前の当期の所得金額×2.5/100

例えば、皆さんの会社(資本金1,000万円)が子会社に当期100万円の寄附金を支出した場合では2万5千円にしかなりませんし、所得金額の100分の2.5といいますと、もし当期の所得金額が1,000万円に対して25万円です。寄附金の損金不算入額=100万円-(250,0000円+25,000円)×1/2=862,500円です。100万円のうち約14万円しか損金算入しか出来ません。子会社に対して債権放棄する場合のように、少し金額が大きな取引であれば、寄附金の額は、ほとんど損金算入されません。 ですから、関係会社や取引先に対して債権放棄したり、時価を下回る価格で資産を譲渡したり、無利息で資金を貸し付けるなど、経済的利益を相手に与える取引については、法人税等の負担にまで注意をすることが必要です。

 

以上が寄附金の法人税法上の取扱です。国等に対する寄附は全額損金ですが、「一般の寄附金」は法人の利益操作が容易なため、ほとんど損金になりません。また、未払寄附金はダメです。すなわち現金で支出した時の損金ですから注意して下さいね。土屋雅資