なんちゃって税理士のブログ

税理士、宅地建物取引士、相続アドバイザー 土屋雅資のブログです。 相続税を中心に、お得な節税情報等を発信していきます。

特別受益

ヤッホー、皆さん、こんにちは!

 

横浜は、久々の晴天です!絶好のオープン日和です~。

 

私は、明日は、1年ぶりの胃カメラ検査なので、夜9時以降は水しか飲めません。

 

でも、内視鏡による大腸検査はやらないので、少し気楽です。

 

皆さんのなかにも、胃カメラ大腸検査をされた方も、いらっしゃると思いますが、結構、食事制限や検査するドクターによっては、腕が悪いと、「目から、くるし涙」がでた経験はありませんか?だって、胃カメラの時は、内視鏡で口がふさがってますから声がでませんよね~。

 

今回は特別受益についてご説明しますね。

  

特別受益とは

共同相続人のうちに、被相続人から生前に贈与を受けている者があるときは、その価額を加えたものを相続財産とみなす。贈与を受けた共同相続人は、法定相続分(または遺言で定められた相続分)から贈与の額を控除する。

 

共同相続人間の公平を図るための制度です。

 

簡単にいうと、相続人のなかに被相続人から特に利益を受けている者(特別受益者)がいる場合、相続人間で不公平感が高くなる事があります。

 

 このような場合の調整規定が特別受益であり、特別受益に該当すれば、その受益は遺産に持ち戻して各人の相続分を計算することになります。

 

特別受益に該当する場合

  • 婚姻若しくは養子縁組のため贈与
  • 生計の資本としての贈与

 

上記いずれかに該当すれば、特別受益として遺産に持ち戻して各人の相続分を計算することになります。

 

被相続人が生前に、相続人の1人が現金1,000万円の贈与をうけていた場合や、マイホームの頭金2,000万円を援助(贈与)してもらっているような場合は、明らかに特別受益に該当します。また高額な学費、自動車などいわゆる大きな買い物から、結納金や開業資金などが該当します。

 

考え方

では、クイズです。兄弟3人で次男だけ成績優秀で大学院(博士課程)に進学して、学費総額1,000万円を被相続人から出してもらい、長男と三男は成績が芳しくなく高校卒業で働いている場合は、この次男の学費1,000万円は特別受益に該当するでしょうか?

 

判例では、①該当する。②該当しない。に判断が分かれています。

 

①親の年収からすると、次男の学費が相当高額であるとし、長男・三男の次男に対する特別受益を認めたケース(親が貧乏で、長男や三男の学費が出せなかった)

 

②親の年収も高く、家計に十分な余裕があれば、各人の成績を加味して妥当であるとして特別受益を認めなかったケース(親が金持ちだったが、長男・三男の成績が悪すぎて、入学できる大学がなかった)

 

 

具体例 

例えば、相続人が子供3人兄弟のうち次男はデキが良いので本人の希望もあり大学院まで親が学費1,000万円を出して進学させましたが、長男は高校を出てすぐに働きだし、三男も高校卒業して長男と同様に働いている、という場面で父親が亡くなってしまったような場合です。遺産は5,000万円だったとしましょう。

 

長男、三男としては、次男は既に学費として親から1,000万円を貰っているのだから今回の相続では取り分が少なくなるべきと考えます。

 

他方、次男からすればお金を貰ったという意識は薄いです。

 

こんな場合、財産はどう分けるべきでしょうか?

 

 このケースは「次男の特別受益が認められた」と仮定すれは 

  1. 特別受益」の額を相続財産に加えて総額を出し
  2. その総額をベースに法定相続分でそれぞれの相続分を算出し
  3. 特別受益者の相続分は算出された相続分からその特別受益の額を引いた額とする

 

具体的に数字を入れてみると

  1. 5,000万円+1,000万円=6,000万円
  2. 6,000万円÷3人=2,000万円
  3. 次男は、2,000万円-1,000万円=1,000万円、長男と三男は各2,000万円で、合計5,000万円を各人が相続します。

 

  

対策 Ⅰ

 いずれにせよ、何が特別受益にあたるか、特別受益があるとしてどう遺産分割するかはケースバイケースの判断になるので、被相続人が生前に各相続人が納得できるよう充分話合いをしておくことがベストです。

 

  • 相続人間で争族にならないように生前から準備を進めておく

 

 対策 Ⅱ

被相続人が生前に、遺産そのものは子供で平等に分けてほしいけれども、学費まで持戻しをすることがないと思われるなら、全員に口頭で学費の持戻しを免除する旨を伝えておくことも大切です。

 

被相続人は、学費に限らず他の特別受益と同様に、遺言書で相続財産に持戻しを免除することができます。

 

  • もめないように遺言書を作成して「学費を持戻免除する」旨を記載しておく

 

 以上が「特別受益」と「特別受益の持戻し」でした。次回は「寄与分」のご説明をしますね! 土屋雅資