なんちゃって税理士のブログ

税理士、宅地建物取引士、相続アドバイザー 土屋雅資のブログです。 相続税を中心に、お得な節税情報等を発信していきます。

未成年者が相続人の場合

ヤッーホー、皆さん、こんにちは!

急に寒くなりましたね~、皆さん、体調管理にはくれぐれも、お気をつけ下さい。

新聞では、肺炎(マイコプラズマ肺炎)が流行しているようです。

 

実は、私も数年前にマイコプラズマ肺炎にかかって、大変な思いをしました。

1週間以上、熱が下がらず、内科に最初行ったのですが風邪薬と解熱剤を処方してもらったのですが、いっこうに熱が下がらず、総合病院で検査したら、最初はドクターから「結核」の可能性があるとの指摘で、冷や汗をかきました。

 

抗生物質を1週間飲んだら、肺の影も消えて元気になりました。

 

病名は「マイコプラズマ肺炎」で「結核」ではなかったので安心しました。

 

ちょっと、前フリが長くなってしましましたが、今回は「特別代理人」についてご説明しますね!

 

 未成年者の行為能力 

民法は、相続人の資格に年齢の制限をしていません。 

受け取る側の相続人は、未成年者でも立派に相続人です

 

ただし、未成年者は単独で法律行為をできません(厳密に言うと、取り消される恐れがあるので、させてもらえません)ので、代理人である親権者の親が代わって手続きをとることになります。未成年者を法律上は「制限行為能力者」といいます。

 

通常は親権者である親が未成年者の「法定代理人」として、未成年者のために代理で契約したり、同意をすることで意思表示を行います。

 

  • 未成年者の法律行為は親権者(親)が「法定代理人」となります。 

 

 

特別代理人とは

未成年者が財産に関する法律行為をおこなう場合、原則的に親権者が未成年者の法定代理人となります。

 

しかし、未成年者と親権者との間で利害が対立する場合(これを利益相反行為といいます)には、親権者が法定代理人になることはできません。そういった場合、未成年者のために特別代理人を付ける必要があり、特別代理人が未成年者を代理して手続をおこないます。

 

特別代理人選任の必要性については、未成年者と親権者の場合のみならず、認知症等になり判断能力がなくなった成年被後見人成年後見人の間で利益相反行為がある場合も特別代理人の選任が必要です。

 

  • 特別代理人は、未成年の子と親権者の間で利益が相反する場合に選任します。

 

 

特別代理人と遺産分割協議

特別代理人の選任が必要な典型的な事例として、未成年の子がいる場合に遺産分割協議書が挙げられます。

 

例えば、父A、母B、未成年の子C、Dの4人家族で、父Aが亡くなった場合、父Aの共同相続人は母Bと子C、子Dの3人ですが、C・Dは未成年者なので母Bが子C・Dの法定代理人として遺産分割協議をおこなうのは利益相反行為に該当します。

 

上記の例で、特別代理人は未成年の子CとDにそれぞれ選任する必要があります。

 

なぜなら、もし、母Bが未成年の子CとDの法定代理人として遺産分割協議をすることができるとなると、母Bが自分1人で好きなように相続財産の分配を決めることができるからです。

 

つまり、親権者と未成年の子の複数が遺産分割協議をする場合は、未成年の子1人ごとに特別代理人を選任する必要があるわけです。

 

  • 親権者である母と未成年の子が共に相続人である場合において、遺産分割協議の結果、母が相続財産の分配を受けないときでも、特別代理人の選任を要する。

 

  • 未成年者とその親権者とが相続人である場合において、遺産分割協議の結果が法定相続分と同じ場合であっても、未成年者のために特別代理人の選任を要する。

 

 

利益相反行為における遺産分割の内容 

特別代理人の選任を家庭裁判所に申し立てる場合、遺産分割協議書案を提出しますが、もし、その内容が未成年者に不利な場合は、家庭裁判所が認めないのが一般的な取扱いです。

 

つまり、相続人が母と未成年の子2人である場合、子の法定相続分は4分の1なので、少なくとも子に法定相続分である4分の1以上の相続財産を与える内容である必要があります。

 

基本的には特別代理人の選任が必要なケースでは、当該未成年者に法定相続分以上の相続財産を与える遺産分割協議内容である必要があります。

 

  •  利害が対立する場合は親権者は代理権を行使できない。
  • 利益相反時には、家庭裁判所に特別代理人の選任申立が必要になる

 

特別代理人の候補

特別代理人になるのに、特に資格は必要ありません。そのため、実務上は未成年の子と利害関係のない親族(叔父、叔母など)が選ばれることが一般的です。

 

未成年者との関係や利害関係に問題がなければ、候補者がそのまま特別代理人に選任されることがほとんどだと思われます。もし、適当な候補者がいない場合は弁護士や司法書士候補者にすることも可能です。でも費用が結構かかります。

 

  • 叔父や叔母が選任されることが多い。
  • 専門家(弁護士・司法書士)に依頼も可能だが、費用がかかる。

 

以上、相続人のなかに未成年者がいる場合は、非常に手数がかかりますので、相続税の申告が必要なケースでは申告期限(10ヶ月)までに、綿密にスケジュールを組んでおくことが必要です。土屋雅資