法人税・損金・生命保険料
ヤーホー、皆さん、こんにちは!そろそろお盆休みも終わりの方も多いと思います。帰省された方、海外旅行に行かれた方、自宅でオリンピックや高校野球を観戦した方、皆さん、楽しい夏休みだったでしょうか?しかしレスリング女子の金メダルは凄かったですね!今回は会社が支払う生命保険料についてご説明しますね。
生命保険料の取扱
法人の役員や従業員等を被保険者とする生命保険に加入した場合、生命保険の種類により損金に算入される金額が異なります。ちなみに個人(所得税)は例えば年間300万円を支払っても、最高で12万円の所得控除でしたね。こういう方を、保険貧乏といいます。
養老保険
養老保険とは、死亡時又は満期時に保険金を取得するもので、いわゆる保険積立金(資産)にあたります。養老保険は下記の区分に従い取り扱われます。
①死亡保険金及び生存保険金の受取人が法人の場合
支払った保険料は資産計上されます。
②死亡保険金及び生存保険金の受取人が従業員の遺族及び従業員の場合
その従業員に対する給与として取り扱われます。
③死亡保険金の受取人が従業員の遺族、生存保険金の受取人が法人の場合
支払った保険料の2分の1を損金に算入することができ、残り2分の1は資産計上します。ただし、特定の従業員のみを被保険者としている場合は、損金に算入されますがその従業員に対する給与として取り扱われます。
<まとめ>
保険金受取人 |
主契約保険料の取扱 |
||
死亡保険金 |
生存保険金 |
||
①法人 |
資産計上(保険積立金) |
||
②従業員の遺族 |
従業員 |
被保険者に対する給与 |
|
③従業員の遺族 |
法人 |
1/2=資産 1/2保険料(損金) |
|
定期保険
定期保険とはいわゆる掛捨の保険です。定期保険は下記の区分に従い取り扱われます。
①死亡保険金の受取人が法人の場合
支払った保険料は損金に算入することができます。
②死亡保険金の受取人が従業員の遺族の場合
支払った保険料は損金に算入することができます。ただし、特定の従業員のみを被保険者としている場合は、損金に算入されますがその従業員に対する給与として取り扱われます。
まとめ
死亡保険金の受取人 |
主契約保険料の取扱 |
①法人
|
保険料(損金)
|
②従業員の遺族 *特定の従業員のみ |
保険料(損金) *給与 |
*生存保険金はありません*
傷害特約等
- 法人が傷害特約等を付した養老保険、定期保険又は定期付養老保険に加入した場合は、支払った特約に係る保険料は損金に算入することができます。
- ただし、特定の従業員のみを被保険者としている場合は、損金に算入されますがその従業員に対する給与として取り扱われます。
以上が会社が支払った原則的な保険料の取扱です。これ以外にも「逓増定期保険」など全額損金算入可能な保険もあります。実務上は、節税商品として保険加入する場合が主流ですが課税庁も過度な節税は規制する傾向がありますから、保険加入時には、きちんとそのリスクも加味して検討する事が必要です。土屋雅資