法人税・損金・役員退職金
ヤーホー、皆さん、こんにちは!毎年、都心は気温が上がっていると感じているのは私だけでしょうか?都心のアスファルト地獄は体に悪いですよね~。さらにお盆の交通渋滞にはまると、バッテリーが上がる危険性もありますね! 皆さんも帰省される場合はお気をつけて下さい。では、今回は法人税法の「役員退職金」についてご説明しますね。
過大な役員退職金は損金不算入
役員退職金についても、不相当に高額な部分の金額は損金不算入です。役員が業務に従事した期間、その退職の事情、同業他社で事業規模が類似する会社の役員退職金の支給状況等から判断するという抽象的な規定があるだけです。実務上は「役員退職金規定」を定めている場合には、その規定に従って支給します。不相当に高額な部分は①退職の事情②在職年数③同業種同規模の他社の退職金との比較の3項目に注意して下さい。
役員退職金の支給計算式
役員退職金 = 退職時の報酬月額 × 勤続年数 × 功績倍率
上記算式中、退職時の報酬月額と勤続年数は明らかです。問題は、功績倍率をいくらにすればよいのかという点です。功績倍率の設定についても、同規模の同業他社と比較して平均的な倍率を設定することが望ましいとされていますが、会社の利益を圧縮して、税負担の軽減を狙う会社の場合、この功績倍率を高く設定しようとするわけです。多くの会社では、代表取締役の場合で3倍程度、平取締役の場合で2倍程度までの水準に設定されているようです。例えば、社長が退職する場合に、社長の月額報酬が100万円で、勤続年数が20年、功績倍率が2、とした場合には、100万円×20年×3=6,000万円が役員退職金となります。
損金算入時期
退職しないのに退職金は払えるか?
通常、役員退職金は「退職」という事実に基づいて支払われるものです。しかし「分掌変更」等によって実質的に退職したと同じ事情にあると認められるケースです。。下記の表に該当すれば、役員退職金を支払えます。
事 実 |
条 件 |
①常勤役員が非常勤役員になった |
代表権をもっていない 経営にタッチしていない |
②取締役が監査役になった |
一定以上の同族株主ではない 経営にタッチしていない |
③分掌変更により報酬が半分以下 |
経営にタッチしていない |
以上、3回にわたって役員の「給与」「賞与」「退職金」についてご説明してきました。同族会社の役員給与等は、色々な制限がありますので注意して下さいね!土屋雅資