なんちゃって税理士のブログ

税理士、宅地建物取引士、相続アドバイザー 土屋雅資のブログです。 相続税を中心に、お得な節税情報等を発信していきます。

給与所得・退職所得

ヤーホー、皆さん、こんにちは!連日の猛暑日ですから体調管理に気をつけて下さい!ちなみに私は昨日の日曜日(7/3)オープンカーで東名高速を走りましたが、熱中症寸前でした^^。第一段階の所得区分10種類のうち今回は「給与所得」と「退職所得」をご説明していきますね!特に「給与所得」はサラリーマンやOLの方はしっかり理解して下さいね!通常は年末に会社で年末調整で完了してしまいますので、確定申告する方に比べて、税金の計算に無関心になりがちです。仕組みを理解しましょう!

  給与所得

<意義>

給与所得とは、勤務先から受ける給料、賞与などの所得をいいます。(雇用契約

 

 <所得の計算方法>

 給与所得の金額=(1)収入金額-(2)給与所得控除額

 (1) 収入金額(年収)皆さんが1年間(1/1~12/31)に稼いだ収入

 (2) 給与所得控除(最低65万円

 

 給与所得は、事業所得などのように必要経費の代わりに所得税法で定めた給与所得控除額を給与等の収入金額から差し引きます。給与所得控除額は年収に応じて控除額が決まっていますので、国税庁HPでご確認下さい。

平成28年分

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超 3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超 6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超 10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 12,000,000円以下 収入金額×5%+1,700,000円
12,000,000円超 2,300,000円(上限)

 

 

例えば、皆さんの年収が1,230万円だと給与所得控除230万円(これが事業所得の必要経費に該当します)をひいて、所得金額は1,000万円になります。来年の平成29年は更に給与所得控除が減少になりますので、年収の高い方は更に増税になってきます。

 

<給与所得者の特定支出控除=特例>

 給与所得者が次の6つの費用のうち一定の要件を満たす特定支出をした場合で、その年中の特定支出の額の合計額が特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」を超えるときは、確定申告によりその超える部分の金額を更に給与所得控除後の金額から差し引くことができます。

  1. 通勤 転居 研修 資格取得 単身赴任者の帰宅旅費勤務
  2. 必要経費(図書費・衣服費・交際費等)(※) 65万円が上限です。

(注) 平成25年分以後は、特定支出の範囲に一定の資格取得費や勤務必要経費(図書費・衣服費・交際費等)が追加されています。実務上は、この制度を適用しているサラリーマンの方は非常に少ないのが現状です。なぜって、実は「給与所得控除」の方が実際に上記で認められる経費より多いからです。上記1,2は皆さんがサラリーマンなら自腹で払った金額のことです。

 

<年末調整>

 給与所得は、その支払の際に所得税源泉徴収されていますが、原則として、その他の所得、例えば不動産所得などと合計して総所得金額を算出し、確定申告により税額を計算することとなります。しかし、給与所得しかない場合には、勤務先において行われる源泉所得税の精算、すなわち年末調整を受けることによって確定申告を行う必要がなくなります。

 なお、年間の給与収入の金額が2千万円を超える人など年末調整の対象とならない人は確定申告を行う必要があります。

 また、年末調整で精算できない医療費控除、寄付金控除、雑損控除などの適用を受ける方も、確定申告によって還付を受けることになります。5年間遡って税金還付してもらえる手続きを「更正の請求」といいます。

 

 

退職所得 

< 意義>

退職所得とは、退職により勤務先から受ける退職手当などの所得をいい、社会保険制度などにより退職に基因して支給される一時金、適格退職年金契約に基づいて生命保険会社又は信託会社から受ける退職一時金なども退職所得とみなされます。

<所得の計算方法> 

退職所得の金額=(支給退職金-退職所得控除額)×1/2

(注) 役員等勤続年数が5年以下である人が支払いを受ける退職金のうち、その役員等勤続年数に対応する退職金として支払を受けるものについては退職金の額から退職所得控除額を差し引いた額が退職所得の金額になります。なお上記計算式の1/2計算の適用はありません。

 「役員等」とは次に掲げる人をいいます。

  •  法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事及び清算人並びにこれら以外の者で法人の経営に従事している一定の者
  • 国会議員及び地方公共団体の議会の議員
  • 国家公務員及び地方公務員

この(注)は官僚の天下り先で、2年程度で多額の退職金を受け取っても「退職金の半分=1/2、しか税金が課税されない!」という以前から問題のあった方法を防止するために創設された規定です。こういう規定はビシビシやるべきだと私は思います。

 

<退職所得控除額の計算方法>

 勤続年数(=A)   ×退職所得控除額

①20年以下 ・・・40万円×A

②20年超  ・・・ 800万円+70万円×(A-20年)

 

例えば皆さんが、会社に29年2ヶ月勤務して退職金2,500万円受給した場合、皆さんの退職所得控除額勤続年数は30年になります。(端数の2ヶ月は1年に切上げ)

退職金・・・2,500万円

②退職所得控除額・・・800万円+70万円×10年=1,500万円

退職所得=(①2,500万円-②1,500万円)×1/2=500万円

 なんと、2,500万円の収入が500万円の退職所得金額に大幅に減少しますよね!

もし、これが給与所得で年収2,500万なら、給与所得金額は上記の「給与所得控除」を差し引いて2,270万円です。

 

<税額の計算方法>

 退職所得は、原則として他の所得と分離して所得税額を計算します(分離課税)退職手当等の支払の際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人については、退職手当等の支払者が所得税額を計算し、その退職手当等の支払の際、正規の所得税の額が源泉徴収されるため、原則として確定申告は必要ありません。

上記の手続きは、皆さんが会社を退職される時に、会社の経理部で「所得税・住民税」が控除されますから、特に手続き(確定申告)は必要ありません。 土屋雅資