小規模宅地(マイホーム)②
ヤッホー!皆さん、こんにちは!
今回は前回の「小規模宅地特例(マイホーム)」の補足説明をしますね!
<配偶者が相続するケース>
小規模宅地の特例(8割減特例)の対象です。このケースでは申告期限前にその土地を売却した場合でも特例を受けることができます。配偶者の死亡を機に他の家族のところに移り住んだり、老人ホーム等に入居する場合など申告期限前に宅地を売却しても大丈夫ということになります。ちなみに愛人(特殊関係人)はこの特例は受けられません。
あくまで、戸籍上の配偶者(例えば30年間別居していて一度も会わなくてもです)だけ特例が使えます。
戸籍上の配偶者は、スペシャル特例者です!
<同居している親族が相続するケース>
同居親族が相続する場合も小規模宅地の特例(8割減特例)の対象です。この場合、配偶者のケースと違い、申告期限まで売却することはできないので注意してください。転勤は注意!この時の注意点は「別居」の定義です。たとえば、両親と同居しており、自分が仕事の都合で転勤した場合などが想定されます。この場合、父が仮に死亡した場合、小規模宅地の特例(8割減特例)を利用できるのは同居している母だけとなります。皆さんは転勤によって別居となるため特例を受けることができません。
ただし、この時の転勤が単身赴任であり、皆さんの世帯の家族(妻や子など)が残っている場合は特例の対象とできます。
<被相続人と別居しているケース>
被相続人(亡くなった方で土地の名義人)と相続人(相続を受ける人)が別居している場合、小規模宅地の特例(8割減特例)を受ける注意点は「他に同居している親族がいない」「家なき子かどうか?」です。
まず、その家に他に同居親族がいる場合はその方は小規模宅地の特例(8割減特例)を利用することができますが、それ以外の方は利用することができなくなります。
同居親族がいない場合で、かつ別居している方が「家なき子」である場合に小規模宅地の特例(8割減特例)を利用することができます。「家なき子」というのは、マイホームを所有していないということを意味します。もし、被相続人と別居している相続人またはその配偶者が、すでにマイホームを所有している場合は小規模宅地の特例(8割減特例)を利用することができません。
<実務上間違いやすいケース>
その1(老人ホーム)
被相続人が老人ホームに入っていたら適用できない!はバツで適用可能です。
上記場合、自宅の土地の価格を80%オ評価減で相続できる、という制度になっています。
現在は要介護認定を受けた人が利用できる特別養護老人ホーム、ケアハウス、有料老人ホームなどに被相続人が入居していても、特例を使って自宅の土地(相続税評価額の80%減=330mまで)を安く相続できます。
その2(家なき子)
小規模宅地等の特例を利用するには、「相続人と同居していることが絶対の条件だ」と思っている方が結構います。でも、実際には適用要件をクリアしていれば「被相続人と同居していなかった相続人が相続するときも、小規模宅地等の特例は使える」んです。例えば、独り立ちしたお子さんが都会で生活していて、故郷で親御さんが亡くなってしまった、なんてときも特例が使えるように配慮されているわけですね。
<適用要件>
-
被相続人に奥さんも旦那さんもいないこと(被相続人は一人暮らし)
-
特例を使いたい相続人以外の相続人で、同居している人がいないこと(もしいたら、同居していた人が特例を使えます)
-
被相続人が亡くなるまえの3年間以内に、相続人が相続人所有の自宅または相続人の配偶者が所有していた家に住んでいないこと(家なき子に該当しないからです)
その3(居住の定義)
居住の定義は一か所しか税法上は認められません。例えば、被相続人が自宅が世田谷、週末は軽井沢の別荘で過ごしていたとして、世田谷の土地と軽井沢の土地の合計面積が330mでも、軽井沢は適用できません。最高裁判決では、自宅は2ケ所(セカンドライフ)を認めていますが、税法上は1ヶ所(生活の本拠地)しか認めていません。これてって、私見では何か変だと思いますが・・・。
法定相続人が一人なら3600万円以上の資産を受け取れば相続税を支払う必要が出てくるわけです。特に、東京都心などに昔から住まれている方は土地が資産の大半を占めてしまうというケースも少なくはないかと思います
相続する時になって、特例対象外ということを知っても後の祭りです。特例の仕組をしっかりと理解して、対象になりそうであれば、被相続人の生前から対応策を考えておくことが重要といえるでしょう。これから将来、超高齢化社会とも呼ばれる日本において、親世代に次々と介護が必要となり老人ホームのお世話になる人が増えている現状に、法制度がようやく追いついたと言えるでしょう。