なんちゃって税理士のブログ

税理士、宅地建物取引士、相続アドバイザー 土屋雅資のブログです。 相続税を中心に、お得な節税情報等を発信していきます。

債務控除

ヤッホー!今回は「債務控除」についてご説明しますね!被相続人(夫)が亡くなった場合、相続人(妻、子供)は原則として被相続人の現金、預貯金、不動産や株式といったプラス財産(資産)と、 借入金や未払金といったマイナス財産(債務)を被相続人から引き継ぐことになり、これを単純承認と呼んでいます。相続税は、相続により受けた利益(純財産=資産-債務)に課税される税金ですから、その財産の取得者が被相続人のマイナスの財産を承継して負担するとき、又は被相続人の葬式に要した費用を負担するときは、その負担分だけ資産が 減少することになります。そこで、当該債務等を相続により取得した財産の価額から控除して相続税の課税価格を計算することになります。相続財産から控除される債務は、相続開始日において確実であるものに限られます。支払わなければならないことが確定しているものについては、必ずしも書面での証拠が必要となるわけではありません。民法上は、「1億円貸します・借ります」で口頭でも成立する諾成契約(贈与契約と同様)ですが実務では、きちんと金銭消費貸借契約書=借用書を作成しますからね!債務の種類には、租税公課(税金)・銀行借入金・個人借入金・未払金等があります。

租税公課については、相続開始日において未払いのものの他に、準確定申告(相続開始の日から4ケ月以内でしたね!)の際に納付した所得税も含まれます。固定資産税、都道府県民税、 市町村民税等は納税義務が確定する日(固定資産税の場合はその年の1月1日)が債務の確定日になりますので、それ以降に相続が発生し、なおかつ相続開始日現在でそれらの税金が未払いの場合、その金額が控除されます。なお、租税公課のうち相続人の責めによる延滞税等は控除の対象にならないので注意してください。逆に言えば、被相続人が税金を払っていなかった場合の延滞税等は控除の対象になります。

銀行借入金、借入金等については本人が借入れをしている場合には控除対象となりますが、保証債務(何らかの契約で保証人になっているもの)や、 連帯債務(何らかの契約で連帯保証人になっているもの)については取扱いが異なるので注意してください。①保証債務については、主たる債務者が弁済不能であるために債務を履行し、かつ主たる債務者からその金額を回収できる見込みがないとき② また連帯債務については、負担すべき金額が明らかになっている部分について相続財産から控除することができます。被相続人の債務であっても、次に掲げる相続税の非課税財産の取得、維持・管理のために生じた債務の金額は債務控除の対象となりません。例えば墓所、霊びょう・祭具のことす。

 では次に葬式費用として下記(1)(2)を確認してみましょう!

(1)葬式費用(債務控除出来る)になるものを列挙すると1~9です。

  1. お通夜、告別式にかかった費用
  2. 葬儀に関連する料理代
  3. 火葬料、埋葬料、納骨料
  4. 遺体の搬送費用
  5. 葬儀場までの交通費
  6. お布施、読経料、戒名料
  7. 上記6の領収書がもらえない場合は、金額、日付、お寺さんの名称、所在地   をメモしておけばOKです
  8. その他通常葬儀に伴う費用等
  9. ちなみに、葬式費用は相続放棄した者が負担した金額も債務控除出来ます。

 (2)葬式費用(債務控除出来ない)にならないもの列挙すると1~4です。

  1. 香典返し→香典(非課税)を頂いたことに対するお返しなので含まれません。
  2. 生花、盛籠等→喪主・施主負担分は葬儀費用になります。
  3. 位牌、仏壇、墓石の購入費用(ローンで購入してもダメです)
  4. 法事(初七日、四十九日)に関する費用

上記で実務上の注意点は、一点目は上記(1)6,7のお布施や戒名料です。領収書が発行されないのをいいことに、相続人の中には、「先生、戒名料300万円払いました」(本当は戒名料30万円しか支払っていないのに・・・)と申請する方がいますが、税務署も宗教法人の税務調査で、戒名の位で、相場を把握していますので気をつけて下さい。

もう一点は上記(2)4です。近頃は、葬儀屋さんに依頼して一式セットで葬儀費用を支払うケースが多くなっていますが、葬儀日に一緒に、初七日も兼ねて行う場合には、初七日の時に振舞う飲食代が入っていますので、この飲食代金は債務控除出来ませんから、皆さん、くれぐれも注意して下さいね!今は「Amazon」からお坊さんが3万5千円で来る時代ですからね~、世の中変わりますよね~。土屋雅資