なんちゃって税理士のブログ

税理士、宅地建物取引士、相続アドバイザー 土屋雅資のブログです。 相続税を中心に、お得な節税情報等を発信していきます。

みなし相続財産②

ヤッホー!前回に引き続き「みなし相続財産」の死亡退職金をご説明しますね!

死亡退職金とは、本来被相続人が退職する時にもらう事のできる金銭等です。この退職金が被相続人の死亡の場合にも死亡退職金としてもらえる場合があり、この死亡退職金もみなし相続財産となります。

死亡退職金は、本来被相続人の死亡により発生する財産であり被相続人の相続財産とは言えませんが、被相続人の死亡により配偶者などの相続人が金銭を受け取るため、生命保険の死亡保険金と同様に相続税法上は相続財産とみなして、本来の相続財産に加算されます。なお、死亡退職金は、死亡後3年以内に金額が確定したものであるか、生前に退職していて支給される金額が被相続人の死亡後3年以内に確定したものがみなし相続財産である死亡退職金となりますその3年を超えた場合は所得税(一時所得)が課されることになります。ただし、実務上は3年超えて支給される場合には、もらった相続人は一時所得で税金が安く(ラッキー)なりますが、支払った法人側は「死亡退職金」として損金経理した場合に税務署から否認(会社は経費として計上したけど、法人税法は経費として認めませんよ)されるケースに要注意です。なぜか?常識的に、「退職金」は会社の退職金規定により速やかに支払うものですよね?それを相続開始日から3年超に支払うのは、法人税を利益調整目的で不当に減少させるため(租税回避行為)に該当する可能性が高いからです。だって不自然な取引だからです・・・。

 相続放棄をすると相続財産を相続することはなくなりますので相続税の問題も原則発生しません。しかし注意したいのは死亡保険金、死亡退職金などのみなし相続財産です。みなし相続財産は法的には相続財産ではありませんので相続放棄をしても取得することができます。実務上は、相続放棄をしても、死亡保険金や死亡退職金を取得してしまうと相続税が課される可能性がありますので注意してください。被相続人が亡くなることにより、何か財産を取得した場合は必ず相続税の問題に気を付けることが重要です

また死亡保険金と同様に500万円✕法定相続人の数(放棄した者含む)が非課税です

次に弔慰金の非課税限度額については、業務上の死亡によるケースと業務外の死亡によるケースが有ります。非課税限度額を超えた場合は、超えた額が課税価格に算入される事になります。

業務上の死亡による場合:賞与を除く普通給与の3年分

業務外の死亡による場合:賞与を除く普通給与の6ヶ月分

この弔慰金の非課税限度額で実務上の注意点は「業務上か否か」です。

例えば、父(被相続人)が会社の通勤経路(東京駅から徒歩10分)途中の事故で死亡した場合を考えてみましょう!

父ちゃんが、会社が終わって東京駅まで帰る途中に「本屋さん」があるので5分ほど立ち寄って書籍を買って本屋さんを出た瞬間に上空から看板が落ちて死んじゃった場合→業務上に該当しますか?しませんか?→該当します=3年=36ヶ月の非課税です。

②父ちゃんが、会社が終わって東京駅まで帰る途中に「飲み屋さん」があるので、2時間ほど立ち寄って、千鳥足でお店を出た瞬間に上空から看板が落ちて死んじゃった場合→業務上に該当しますか?しませんか?→該当しません=6ヶ月の非課税です。

要は「労災」の適用が受けられるか否かで判定します。

ちなみに④相続開始3年前の贈与加算は、贈与税ではなく相続税で課税します。例えば医師から父(被相続人)が余命宣告された場合など、死亡日から3年以内に相続人に贈与したお金などは、贈与税の基礎控除=110万円以下でも、贈与は無かったものとして、相続財産に加算しますよ!慌てて贈与しても相続税は安くなりませんよ!って事です。!次回は、③の「相続時精算課税制度」をご説明しますね!土屋雅資